コスモエコパワー株式会社の啄木のふるさと 盛岡玉山フォトコンテスト

お知らせ

啄木のふるさと 盛岡玉山フォトコンテスト

受賞作品のご紹介

「風薫る玉山」をテーマとする本フォトコンテストには、地元盛岡市をはじめ、岩手県内外からバラエティに富んだ120点の作品の応募がありました。色鮮やかに咲き誇るサクラパークのオオヤマザクラや自然の雄大さを感じさせる岩手山・姫神山をとらえたもの、風の力を象徴する風車を被写体としたものなど、いずれも甲乙つけがたい作品でした。
厳正な審査の上、各賞受賞作品が決定いたしましたので、ご紹介いたします。
(本ページサムネイル・ヘッダ写真 撮影:杉田賢治氏)

最優秀賞

「五月の秀峰」 成沢 博義 様(岩手県)
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最優秀賞には五月の美しい水田と岩手山の姿を題材とした作品を選定しました。撮影場所となっている門前寺地区は、舘ひろしさん主演の映画「終わった人」のロケ地に採用された、美しい眺望が特徴的な地区です。

本作品は、水を張った田んぼが鏡のようになる、田起こしから田植作業に移行するまでの至極短い期間に撮影されたものです。条件が揃うまで粘り強く通い詰めた撮影者の努力が伺えます。また、稜線の鞍部がほぼ中央にくる岩手山の堂々たる姿も、玉山地域から同山を望んだ特徴的構図であり感動を誘います。冬の厳しさが残る岩手山を青の透明感で演出し、春が来た喜びへと繋ぐ表現力も見事です。

以上の点から、本作品は玉山地域らしさが存分に感じられ、古来続く農村風景の美しさを改めて再確認できる点においても、最優秀賞にふさわしい作品であると評価しました。

コスモエコパワー賞

「姫神ウィンドパーク 岩手山・姫神山とともに」 藤村 恵一 様(岩手県)
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コスモエコパワー賞には、立ち並ぶ9基の風車と共に、男山である岩手山を左手に、女山である姫神山を右手におさめた写真を選定しました。姫神ウィンドパークの風車が玉山の雄大な自然の中に溶け込み、ひとつの風景となっている姿を多くの方々に見ていただける作品です。飛行機雲が3つ並んだ瞬間を見事に捉えており、山と空の広さが伝わり、風車を回す風が感じられるようです。

風力発電事業を営むコスモエコパワー株式会社の「地域の皆さまと共にありたい」という理念や地域への感謝に通ずる点からも本作品を選定いたしました。

審査員特別賞

「サンピラーに舞う天使たち」 山川 さおり 様(岩手県)
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氷点下20度以下、適度な湿度、天気は快晴で無風、そんな厳しい条件下でしか出会うことのない神秘的自然現象「ダイヤモンドダスト」。逆光が差し込まなければ氷の結晶を肉眼では確認できない、人生で数回しか訪れないであろう奇跡の瞬間を、作者は見事にカメラに収めています。

新年早々、岩洞湖で夜明け前からスタンバイをされた行動力と情熱は計り知れません。息でファインダーが曇り、露出もイメージと合わせにくいといった過酷な状況を感じさせることなく、希望の光に天使が舞っているような美しさがやさしく表現されています。普段から自分のカメラを体の一部のように思い、真摯な作品への向き合い方を感じさせる点が高く評価されての受賞です。

ひのと賞

「自然からの贈りもの」 高橋 憲和 様(岩手県)
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県外の方にも日戸(ひのと)地区の良さを知っていただきたいことから、地元目線で「ああ、ここは日戸だね」と思える光景であることを重視して選考しました。

本作品は、平成10年から2年間をかけて、旧玉山村出身の在京者団体と地域住民が中心となって1万本のオオヤマザクラを植樹したことで生まれた新しい桜の名所「サクラパーク姫神」で撮影されています。手前に広がる彩り豊かに段々と重なる山の景色と、遠くの雄大な岩手山、好天とは言えない日であったからこその光芒が相まって、日戸の美しさを芸術的に表現している作品です。

入選

「玉山新緑の季節」 工藤 政勝 様(岩手県)
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今回のコンテストでは、お気に入りの場所として岩洞湖を映した作品が数多く寄せられました。その中で春を感じさせる「綺麗」な作品の代表として、本作品が入選となりました。桜+水面の映り込みは風景写真のお手本のようです。

本作品は、春の気配を水草と桜で表現している点も興味深いです。作品は、パーンフォーカス(深くピントを入れること)で水草に存在感と生命力を与えています。水草は妖精が楽しく踊っているような春のシンフォニーという感じです。見えているものは同じでも、感じ方は無限です。皆さんも自分だけの春を見つけてください。



「朝焼け」 眞舘 弘治 様(岩手県)
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朝ならでは複雑なグラデーションをうまく切り取り、プリントにして再現、応募された作品です。風景写真の基本は広角レンズでの撮影ですが、作者は姫神山の大きさと水田の印象を、中望遠レンズを使用して被写体を同じ扱いにすることで、水田の表情を演出しています。

東雲色の水面や霧の大地は、短期間の観光や旅行ではお目にかかれない、生活の中にある風景と言えるでしょう。啄木のふるさととしてだけでなく、日本のふるさとをも彷彿とさせるような本作品を通して、美しい玉山の原風景を全国の皆さまに知っていただきたいという願いも込めて選定いたしました。



「ミラーに映る春」 森田 洋子 様(岩手県)
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今回の応募作品には名所・旧跡で撮影された桜の写真が目立ちました。名所でのダイナミックな撮影も魅力的ですが、里山の日常の中にある桜を、カーブミラーを使って物語にしている点が、この作品の面白さです。道路の両脇に2本立っていて、「行ってきます」とか「ただいま」と言いたくなるような、地元の人に愛されている桜を、「私の桜」としてミラーの中に収める嗅覚も天晴です。日常の発見を写真で残している傑作と評します。